Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
六
「それほどまでに――なぞ、言われるとは、そなたも、あまりに、女ごころをお知りにならぬ――雪どの、そなたのうつくしい姿に迷うて、身も世も要らぬとまで思い込んだ女子は、かず多くありましょうが、この浪路は、日本六十余州を、おんあずかり申される、将軍家の、限りない御寵愛を、草履のように打ち捨てて、そなた一人と思いかえたのではありませぬか――さらさらそれを誇るではなけれども、今少し、この胸の中を察してたも――」
「冥加とも、かたじけないとも――この雪之丞とても、尽未来、あなたさまのほかに、世上の女性にこころをうごかすようなことはいたしませぬ――」
二人は、抱き合うようにした。美女の、髪の香の、何という悩ましさ!
六
浪路は、雪之丞の胸にすがりつくようにしたまま、昂奮と感動とに、声をわななかせて、誓うように言うのだった。
「雪どの、わたしの言葉が、真実であるか無いか、もうじきに、そなたは思いあたりなされますぞえ――この生家に、いつまでも日を消していたなれば、御殿から、かえれ、もどれと、申して来るは知れたこと――現に今日も、重役の老女が見舞に見えられて、今は窶れ哀えも見えずなったゆえ、一日も早う、大奥へ上るように――と、くりかえしていってでありました。