Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
四
おっと、また、諜者の奴が、出て来たぞ。今度は何をいやがるのか?
淋しい淋しい、夜の流れ――業平橋とは、名こそ美しけれ、野路をつないで架った橋の袂で黒い影が待ちうけていて、
「旦那、たしかに、お初をはじめ浪人ものは、この橋を越したには相違ねえんです。ですが、うちの親分はじめ、一生懸命嗅いでいるものの、ここから先きは、見当がつきません――この近所にゃあ、奴等が、荒っぽい腕をそろえて、乗りこまなけりゃあならねえほどの、豪家もなし、さりとて、生半可の家へ押し込むに、それほど人数をそろえるわけもねえでしょう? 実は旦那がたがいらしってから、いつもの勘で、考えていただきてえと思いやして――」
「何だ! 何をまごまごしていやがったのだ」
と、同心の一人が哮った。
「小半も、さきに出張っていやあがって、今までそこらをウロウロしているたあ、あきれかえった奴だ! それで、竹町の親分づらが出来るのか? そんなことなら、申し上げて、十手を取り上げてやるからそう思え!」
「ほんに、驚き入った野呂間だな! 竹町も、焼きが、まわったの」
と、今一人もつぶやいたが、
「しかし、この場で、腹を立てていてもはじまらぬ、これ、貴さま達の中で、この辺の地理に明るい奴はないか! 金持という金持の屋敷を知っているものはねえか――」