Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

五

雪之丞は、全身を汚穢なへどろで塗りこくられでもするような、言い難い悪寒をじっと堪えしのびながら、二人の言葉に耳をかたむけるふりをしていた。

「のう、雪之丞どの」

と、広海屋が、

「長崎屋から、くわしゅう聴いているらしいが、そなたが思いの儘に腕を振ってくれさえすれば、未来永劫、この二人で、そなたの一生のうしろ見は必ずして上げますぞ。何分、人気渡世は、一時の栄えは見せようが、行末長く同じ繁昌がつづくとも限らぬ――いや、そなたは格別であろうが、用心にしくはないのが、人の生涯じゃからな」

――この手で、父親のことをも、汚らわしい深みに引き入れたのであろう――

雪之丞は、胸のうちでそんな風に呪いながらも、

「全く以てお言葉通りでござります。ことさら以て、わたくしなぞは、たよりすくないみなし児の身、お二人さまがそう仰せられますと、夢のように嬉しくて、天へも上る気持でござります」

「うむ、のみ込みの早いお人で、わたしたちも大助りだ。人間はそう無うてはならぬ」

と、広海屋は、ますます膝を乗り出して、

「今も、冗談のように言ったことだが、あの御息女が、一目そなたを見て恋い焦がれ、一身一命さえ忘れかけていることは、この長崎屋さんが、見抜いた通りに相違ない。