Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
二二
二二
相手が女性、しかも、父にこそ恨みはあれ、何の罪科もない人と思うと、自分のもくろみがあまりに悪辣な気がして、やや、心が屈しかけた雪之丞、ふと、不幸薄命に狂死した親のまぼろしを目にうかべ、冥府からの責め言葉さえ耳にして、ハッと我れに返った。
――そうじゃ、わしは父御の子じゃ、父御のうらみをむくいるために、この一生を賭けた身じゃ。今更、何をためらうのか! どこまでもどこまでも、鬼になり、悪魔とならねばならぬ――
そう、胸の中に、おのれを叱って、
「御息女さま、それならば、これからのわたくしは、いつもいつも、あなたさまが、見守ってくだされているつもりで暮しまする。舞台に立つときも、ほかのお客さまに見せようとも思わずただもう毎日あなたさまが、あの桟敷においでなされると考えて、懸命につとめまする」
「ほんに、何というやさしいことを――」
と、浪路は、ゆめましげに、
「わたしも、御殿にいるうちも、いつもそなたが忘られるはずはありませぬ――上さまお側にはべるときとて、屹度屹度そなたのことのみ思い暮らしましょう――」
「この雪之丞、上方にても、ただたださまざまなまどわしに逢いかけましたこともござりますが、ただ一すじに芸道第一、ほかのことには心をひかれずくらしてまいりました。