Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
一二
お初は、今度こそ決心を固めた。いつか、彼女は谷中の杜を通り抜けていた。
一二
お初は、寺町を抜け出すと、通りかかった空かごを、もう呼び止めていた。
「かご屋さん、松枝町まで大急ぎだよ。急病人があるんだから――」
かご屋は、淋しいところで、不意に絵から抜け出たような、凄味のある美女から呼びかけられて、びっくりしたように、足を踏み止めたが、すぐに、トンと下ろして、
「へえ、お乗んなせえ」
息杖を突っ張って、かき上げた先棒の吐く息がいかにも、冬らしく白い。
お初は、背中を、うしろに凭して、男のような腕組だ。目をつぶると、まぶたの奥に、恋しい顔――恋しいが憎らしい顔、恨みの顔、どうあっても、赦してはやれぬ顔――さまざまに二人の顔が、ちらちら映って来る。
――ねえ、お初、お前は、出来るだけ手ッ取り早く、仕返しをして、さっぱりした気持になんな。
今度こそ、やりそくないのないように支度をして、三斎屋敷へ、本職の方で改めて乗り込むくらいな気組がなけりゃあいけないんだ――今夜は、あの三斎隠居とかいういけ好かない奴をどうしても味方に抱かなきゃあ駄目だけれど――
お初が、自分にいい聴かせているうちに、すでに、もう目あての場所に近づいていた。