Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

一六

雪之丞は、寒そうな顔をして、小部屋で、小火鉢をかかえていた、その男から、一通の封じぶみを渡された。

開いて見ると、匿し名にはなっているが、それが、浪路からの密書であるのは、すぐにわかった。

浪路は、美しい水茎のあとで、こう書いている。

おめもじいたしてより、胸もこころも、ただただ焦れたかぶるのみにて御座候、されば、若き身をとじこめ候檻より、今日ようやくのがれいだし、古い乳母のもとをたより、その者の手にて、小石川伝通院裏の、小さき家にしのびかくれ申し候。椎の大木のそばたちたる蔭の、ささやかなる宿をおたずね下され候わば、そなたさまのみ恋い明かし申しおり候、あわれなる女のすがたをこそ、お見いだしなさるべく候。更け渡り候えども、こよい、お越したまわることをのみ念じ上げまいらせ候。かしく。

――さては、浪路どのも、とうとう、屋敷を抜けいでられたのじゃな?

苦がい、鋭い微笑が、美しい女形の口元をよぎった。

――家は愚か、父兄は愚か、公方の威光までも、恋のために土足にかけようとするとは、あのお人も、思い詰められたものと見える――

ともすれば、哀憐の情が、湧いて来そうになるのを、彼は圧し伏せて、