Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
四
この前の、わざと結った高髷とは変って、今夜は、長い、濡羽いろの黒髪を、うしろに辷らして、紫の緒でむすんで、緋い下着に、水いろの、やや冷たすぎるような綾の寝間着――
単に、口実ばかりの病気でもなかったと見えて、いくらか、頬にやつれが見えて、じっと、こちらをみつめて微笑んだ瞳に、かぎり無い淋しささえ溢れている。
手を突くと、
「ま、そのような辞儀なぞ――どうぞ、ずっとこちらへ――」
なつかしげに、親しい人にいうように、
「煩ったお蔭で、ついじき逢うて、うれしゅう思います」
雪之丞は、そうした表情や言葉に、すこしもまじり気を感じることが出来なかった。恋に焦がれつつある、一人の女性が、その恋を強いてほんのり包もうとして、悶えている遣瀬無さを、察してやることが出来るのだった。
――わしは、わしをしんから想ってくれている娘を、欺きおおせねばならぬのであろうか?
けれども、彼は、浪路の、しっとりした姿の背景をなす、古土佐絵の、すばらしい金屏や、床の唐美人図や、違い棚の豪奢をきわめた置物、飾物を眺めたとき、弱まった気持を、ふたたび緊張させることが出来た。
――この娘の父親が、この豪華をむさぼるために、どんなに悪業を積み重ねているのだろう――虐げられ、苦しめられ、狂い死に死んだのは、わしの父御ばかりではあるまい。