Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

六

は、は、は」

笑いにまぎらして、闇太郎が、

「鬼の目に、涙ッて奴なんだろうな」

六

二人は顔を見合せるのを怖れるように見えた。

「まあ、仕方がねえや――不運だなあ、あの女一人に限ったことじゃあねえんだ――だがなあ、雪さん」

と、闇太郎は、思い込んだような調子で、

「お前のからだがあいたあとで、たった一度でも、ゆっくり逢ってやってはくれるだろうなあ――それだけは、約束して置いてもれえてえのだが――」

「おたがいに、いのちがありましたなら――」

と、雪之丞は、かすかに言った。

彼の魂としても、感じ易く、わななき易い――そして、これまで、押え押えて来て、一ぺんも、激しく攪き立てられたことがないにもせよ、青春の、熱い血しおは、心臓に漲っているのだ。

――あのお人は、境涯のためにどんなに汚されているにしても、わるい方ではなかった。わたしを思ってくれるこころに、まじり気はなかった。

雪之丞の、胸も淋しい。

闇太郎は、急に、語調を、ガラリと変えた。

「は、は、は、とんだ幕が、一幕はさまってしまった。それじゃあ、又、あいましょうぜ。もう、風は、得手だ。潮は、一ぺえに充ちている――思い切って、帆をあげて、突っぱしりなせえよ。