Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

六

荒蓆の上に、坐っている雪之丞は、しかし、じっとりと、身じろぎもせず、お初を、澄んだ目で迎えているようだ。

「ねえ、雪さん!」

甲高な、お初の声が、鐘楼の、蔭の闇太郎の耳まで筒抜けにひびいて来る。

「おまえさんへの、あたしの怨みは、ことごとしく並べるまでもないよ――だけれど、ねえ、あたしだって、これで、やっぱし只のおんなさ。一度、惚れたおまえさんを、穽穴に追い落して、生き地獄の苦しみに逢わせようとまで、憎み切るには、随分、手間ひまがかかったよ。おまえさんの秘しごとを、あたしがちゃんと掴んでいることは、おまえさんがようく知っている。でも、今だって、それを歯の外に出しちゃあいないのだ。今夜、こんなことになったのは、おまえさんが、あの生け憎らしい、野郎なんぞを使って、あたしをひどい目に逢わせようとしたからさ――あの、闇の野郎なんぞを!」

闇太郎、突然、自分の名が出たので、首をすくめて、小さく舌打ちをした。

――ちょッ! 闇の野郎だって! 生け憎らしい野郎だって! きびしいことをいやあがって!

「雪さん、おまえさんは、あの野郎が、今、江戸で、どんな羽振りを利かせているか、ようく知っていなさるはずだ。