Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
六
起ち上る雪之丞を、師匠は、室の出口まで見送った。
雪之丞は、供の男を従えて、外へ出る。
晩秋の夜気は、しんと沁み通るようだ。無月なのに星の光りが、一層鮮かに、冷たい風が、あるか無きかに流れている。
供男は、供待ちで、これも一口馳走になったと見えて、浪人に脅かされて以来、びくつききっていた、来る途中の萎れ方は何処へやら、元気な声で、
「この分では、初日二日目、三日目――大した人気にきまっておりますぜ。何しろ初上りの親方衆の、顔見世と言うのだから、座が割れっ返る程、大入り請合いだ」
「そうなれば宜しいが、――何分始めての御当地故、入りばかり気になって、――」
雪之丞は謙遜深く、そんな相槌を打ちながら、さしかかったのが、横町を行きつくして、御蔵前通りの、暗く淋しい曲り角――。
すうっと、ある肌冷たさが、雪之丞の、白くほっそりとした首筋に、感じられた。と思う刹那、闇をつん裂いて、無言の烈刃が、びゅうと、肩口に落ちて来た。
ぎゃっ、とおめいて、遁げ出す供男。雪之丞は、ひらりと躱すと、じっと身をそばめて、気配を窺った。
六
闇を透して、相手をうかがう、雪之丞の細っそりした右手はいつか、帯の間にはいって、懐剣の柄にかかっていた。