Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
一五
目は爛々ときらめき全身に強烈な、兇暴の気が漲った。まるで、狼が、いけ牲に最初の一撃を与えようとして、牙を現し、逆毛を荒立てたかのようである。
彼の息は、押え難く、荒らいだ。
「むうん――」
と、いったような呻きが、咽喉の奥から、絞り出されるように、迸った。
相手の武士は、じいっと、突っ立ったまま、殆んど、身構えを直そうともせず、ただ、何時の間にか、腰から抜いた扇子を、右手に握って、突き出すようにしただけだった。
「ほほう、感心に、鉄壁微塵と、突っ込んで来る覚悟を極めたな!」
と、苦笑いのような調子でいって、
「なかなか凄い度胸だの。それに、普通の修業では、到り得ない、必殺の業も、得ているようだ。どうだ、そこで、ぐっと、斬り込んで来て見ぬか?」
闇太郎は、
「むうん――」
と、再び呻いた。鰐足に踏ん張った。脚部に、跳躍の気勢が現れたが、直ぐに失われた。
「やっぱり、駄目だろう――」
と、相手はいったが、しかし、その口調には、今までのような、冷笑と、侮蔑とは、響かなかった。ある感嘆と、好奇心とが、仄めいて来ていた。
「どうだ、貴様――もうそこいらで、その匕首をおろしたら――と申しても、拙者ももう貴様の首根ッこを捉えて、番所へ引き摺って行くような気持もなくなったよ」