Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

七

なぜだろうと、訊うまでもなく、それは、仇で、意気で、悪党で、美人で、こうした社会では、いわば理想の女性の随一としてかぞえられているような秀物と、たった二人、酒を汲みかわしているからこそだ。しかも、その女が、彼を、島抜けの異名のある人物だと聴いて、その名をとうから知っていてくれて――

――話せる人だ。

と、まで、いってくれたのである。

法印は、急に歓喜が二倍になり酔いが二倍になって、からだの節々も緩めば、いつか、窖番人としての警戒心さえ緩んで来るのであった。

――やっぱし、悪党は、悪党同士、話がわかっていいなあ、ほかの渡世の奴等じゃあ、とてもこんな工合に、うまく飲めねえッてことよ。

「さあ、御返杯」

と、ぐうと、一息に干したのを献す、お初。

「おッとと――散ります散ります。へ、へ、へ――黄金いろだね――いい香りだね」

すうっと、匂いを嗅ぎ込むようにして、じっとみつめて、溢れそうなのを、口から持って行ってきゅうと、啜った法印、

「う、うめえ――」

と、嘆息して、

「と、いって、何も、自分で買って来た酒を讃めているんじゃあねえんだよ。つまりはな、それ酌がいいからさ」