Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

なぞとは、上方をはなれますとき、思いも及ばぬことでござりました」

「何をいやるぞ――そなたは?」

と、浪路は、恨みをふくめた目で見返して、

「わたしが、上さまのお側にはべる身ゆえ、それが仕合せでもあるように、そなたは思うていやるそうな――」

「それが、仕合せでのうて何が仕合せでござりましょう? この日ッ本国中の、女性という女性、それをうらやまぬものが、あろうはずがござりませぬ」

雪之丞はべったりと、居くずれるようにして、横がおを見せるのだった。

浪路は、このたける、しとやかな優人と、世情にうとく、色黒な小柄な貴人とを思い比べて見ることさえ、苦しく、やるせなく、心恥かしかった。

「もうそのようなこと、いわずに置いてたも。さも、わたしが、好んで大奥にあがったものでもあるように――」

雪之丞は、それが耳にはいらぬもののように、ホーッと、深い吐息をして、

「わたくし、おいとまをいただきとうござりますが――」

急に、サッと、浪路の顔いろがかわって、

「なぜ――にわかに、そのような!」

「でも、考えて見ますと、あまりに空おそろしく――」

「何が、おそろしいと、いやるのか――事ごとに、わたしのこころに、針を刺さいでも――」