Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
なるほど、こないだ、猿若町を見物するとかいっていたが、今夜、あの雪之丞が、ここに来ているとは、思いもかけなかった。一芸一能の人間に逢って見るのが楽しみだと、生意気なことをいっていたが、三斎め、妙な道楽を持っていやがるな。それにしても、あの雪之丞という役者、只のねずみとも思われぬが、どこか、好いた奴――あの男ならこのおれも、一度はゆっくりと話して見てえとおもっていたんだ。
闇太郎は、いつか、盗み本来の目的を忘れてしまったように、中から洩れて来る話しごえにばかり耳を傾けはじめた。
――あの男が、いつぞや平馬の奴に、暗討ちの迎え打ち、タッと斬りつけられたとき、ひらりかわして、短刀であべこべに、相手の二の腕を突いて退けたあの手際は、なみ一通りのものではない――聴けば御蔵前の脇田の高弟とのことだが、一てえ、何のつもりで、そこまで剣法なんぞ習い覚えたのか、人間、あてのねえことには、なかなか手を出さぬもの――しかも、あの気合には、すばらしいけわしさが含んでいる――さすがのおれにも、あいつの胸の中だけは解けねえが――
と、腕を組んでいるところへ、だしぬけに、う、う、うーと、低く唸りながら、怪しい奴――と、いうように近づいて来た一頭の大犬――それと見ると、闇太郎、巧な擬声で、う、う、うーと、小さく挨拶するように唸り返す。