Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
すっかり日が暮れかけていたが、こっちは、もう冬ぞらがくれかかっているのに、洗いざらしの縞の単衣ものを引ッ張っているだけなんだ。手拭で鼻までかくして、裏の方へまわってゆくと、幸い人ッ子一人、あたりに見えない――おふくろか、せめて、弟の奴でも出て来たらと、塀のふし穴に耳をつけるようにしていると、茶の間で夕飯中らしく、皿小鉢の音がしたり、一家中で、何か、面白そうに話し合って、笑っている声までが聞えて来るんだ。もう、親父が腹を切ったことも、おれが、佐伯を斬りそこなって家出をしてしまったことも、家督を、次の弟がついでしまって見りゃあ、もう大風が吹いたあとのように、かえって、さっぱりしたというようなありさまなんだ。そんな中へ、おれが、首を突っ込んだら、晴れた空に、黒くもが射すようなものだ――はいってゆきたくねえなあ――とためらって、大凡、小半ときもそうしていたろうか? その中に、夕飯がすんだらしいから、思い切って、台どころから、おふくろに声をかけようか――ここで、気を弱くしちゃあ、友だちが、どうなると、決心すると、塀をはなれようとすると、そのとき、妙なひそひそばなしが、ついうしろの方で、きこえたんだ――一てえ、どんな事をいっていやがったと思う?」