Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
「ううむ――」
と、浪人者は呻いた。
「重ね重ね奇怪だ、無礼だ。身分違いの身で、土下座でもして謝るならまだしも、人がましゅうし目の前に立ち塞がって、それなる奴を、かばいだてしようなどとは、いよいよ以て許されぬ。それへ直れ、押し並べて、二人とも成敗する」
雪之丞は、微塵、怖れは感じなかった。相手の面構え、体構えに、本気で刀を抜こうとする気合が、籠っていないのは勿論――よしんば、斬りつけて来たにしろ、たかの知れた、腕前なのも見抜いている。
――この男、威しにかけて、いくらか、黄金をせしめる気だな――
人気渡世の女がた――殊更、始めて下った江戸。こんな奴を相手にするより、小判の一枚も包んだ方が、とくだとは思ったが、尾羽打ち枯らして、たつきに困ればとて、大刀をひねくりまわし、武力に愬えて、弱い者から飲み代を、稼ごうと言う了簡を考えると、人間の風上に置けない気がした。その上、辛抱がならないのは、天下の公道で、二言めには、河原者の、身分違いのと、喚き立て、言い罵るのを聞くことだった。
――何が、身分違い、河原者。舞台の芸に心を刻み、骨を砕き、ひたすら、一流を立て抜こうとする芸人と、押し借り強請の悪浪人と、何方が恥ずべき境涯なのだ――