Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

ジロリと、土部一味の目が光ったら、明日はそなたの舞台はもう江戸の人は見られなくなる。それよりも、広海屋、長崎屋、お互に同業、胸の中に、修羅のほむらを燃やしているに相違あるまいが、それを用うて一狂言、そなたにも書けそうなものだが――」

「左様、それにつきまして、実は――」

と、雪之丞が、長崎屋の、広海屋に対する反抗心を、あけすけ聴かされた旨を逐一打ち明けると、孤軒は、にこにこして、

「それが、この浮世で利慾に生きるものの、浅間しい望みなのだ。我慾に熱して、友も主も売る――そなたの父親を売った二人は、今度はお互にお互を喰らおうとしてもがき焦せる――そなたとしては、今の場合、その二人をどこまでも争わせ、魂をも肉をも、現世で食い散らさせるのを眺めるのも一興じゃと思うがな。そこでわしに一案がある」

孤軒は童子が、運んで来た茶を、うまそうに啜って、

「わしは、夜目ではわかるまいが、この小家の入口に、これでも堂々と易の看板をかけておるで、金、銀、米、そのほか、相場の高低を争う、はしッこい町人たちが、慾に瞳が暗んだ折に、よりよりわしの筮竹をたのみにして駆けつけてまいるが、その者どもに聴けば、かの長崎屋、一度に資財を数倍させようと、今年北国すじの不作を見込んで、米を買っておるそうな。