Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

と、でも、男同士なら怒鳴りつけたいのだ。

相手が、女、折も折、じっと、怺えて、苦く笑って、

「まあ、姐御、そんなに腐らねえでもいいじゃねえか――どうせ踏み込んだ泥沼だよ――それに、素ッ堅気がっている奴だって、大ていおれ達と違ったものでもねえようだ。おれたちは、正直ものだから、正直に渡世をしているだけさ。何でもありゃしねえじゃねえか――くよくよしなさんなよ」

「くよくよなんかしたくはないけれど、此の世で二度と色恋なんかするんなら、ここまで持ちくずすんじゃなかったと思って――」

と、言って、お初は、またも、縋りつくような目つきになって、

「親分、恩に被ますよ――ほんとうに、さっきから言うとおり――ね、たった一度、ゆっくり話せればいいのだから――因果な女だと、嗤ってね――」

闇太郎は、もう、一刻も早く、この痴情に心魂を爛らしてしまった年増おんなの前が、逃げ出したくなった。

「わかった、出来るだけやって見ようが、――そのかわり、おまはんも、じっくり待つ気になって貰いてえ」

「ああ、辛抱出来るだけ辛抱していますからね――まあ、三日四日にネ」

闇太郎は、淋しいひびきを立てて、冷たい風が流れている往還へ出て、はじめて、ホッとすがすがしい息をした。