Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

こん、こん、小石は

罪のいし。

つん、つん、積った

罪とがの

数だけは積まねば

ならぬ石。

永劫のつきせぬ

この責苦、

こん、こん、小石は罪のいし。

何となく、可哀そうになって、つい、うしろに近づいて、何かいいかけようとすると、子供の方で振り返ってニーッと笑ったが、その顔が、盗んで、遣り捨てにした、広海屋の赤んぼう――

――やあ、おのれ! 迷い出て、恨みをいうか!

と、睨めつけようとした途端、その子供の顔面が、急に、妙に歪んで、ぐたぐたと、伸び皺ばんだと思うと、浅間しく、ねじくれた、黄色い老人の顔――

――見たような? どこかで、いつか? 遠い昔――

と、考えをまとめかけた刹那、思いがけなく、その顔が、もぐもぐと、土気いろの唇をうごかして、

――久しいのう、三郎兵衛――

と、いいかけたようだ。

長崎屋、そのとき、ハッと思い当って、両手で顔を蔽くそうと、もがいたが、手足が緊縛されて、それさえならぬ。

二〇

赤ん坊の顔と思ったのが、見る見る変って、伸び歪んで、世にも苦痛に充ちた老人のそれとなった、その夢裡の変化が、両手で面を蔽くして、恐怖に五体がすくみ、声を出すことも出来ぬ長崎屋を、嘲けるが如く、追いかけて、呟くのだった。