Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

闇太郎は、低い、すごい調子で、

「なにしろ、人一人、あの人は、今夜殺して来ているのだ」

菊之丞も、息を詰めた。

雪之丞は、

「ま! 人を――」

と、叫びかけて、声を呑む。

「うむ、あれから、田圃のうちへ連れて行って、無理に、横にならせると、すぐに、大熱で、うわ言だ――そのうわ言が、只の台詞じゃあねえ――」

と、闇太郎は、いつもの快活さをすっかり失くして、

「途切れ途切れに言うのを聴くと、あの人は、隠れ家を、横山五助に見つかって、つけ廻され、うるさくいい寄られるので、カッとなり、突き殺して来たらしいのだ。そういわれて、気がつくと、右の袖裏、襦袢の袖に、真黒な血しぶきのあとがある――たしかに、横山を手にかけて来たものにちげえねえのさ」

雪之丞の頬は、紙よりも青ざめた。彼には頓には返事も出来ぬ。

何という、怖ろしい輪廻だろう――彼が自分みずから手を下さぬのに、若し闇太郎の言葉が真実とすれば、二人の仇敵は、すでに他人の刃でいのちを落してしまったのだ。

長崎屋に刺された浜川。

浪路に突き殺された横山。

――そなたの怨念が、人に乗りうつッての仕業なのだ。

と、老師匠の、じっとみつめる目が、言っているように思われた。