Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
と、いいつづけた、黒い影――格闘する二人が、互に、咽喉首をつかみ合って、指先を肉に突ッ込んだまま身をこわばらせてしまったのを、しばしがあいだ、じっと見つめていたが、やがて、もはや呼吸もとまり、断末魔の痙攣もしずまったのを見ると、ぐっと側に寄って、睨めおろして、
「覚えたか! 広海屋、長崎屋――人間の一心は、かならずあとを曳いて、思いを晴らす――松浦屋清左衛門が怨念は、一子雪太郎に乗りうつり、変化自在の術をふるい、今こそここに手を下さず、二人がいのちを断ったのじゃ、わからぬか、この顔が――かくいうこそ、雪太郎が後身、女形雪之丞――見えぬ目を更にみひらき、この顔を見るがよい」
サッと、垂らした髪の毛を、うしろにさばいて、まとっていた灰黒い布を脱ぎすてると、見よ、そこに現れたのは、天下一の美男とうたわれる、中村雪之丞にまがいもなかった。
が、すでに魂魄を地獄の闇に投げ入れてしまった二人の悪徒、そのおもかげを見わけることが出来たかどうか?
もし見かけ得たならば、因果の報いるところのすさまじいのに、いまさら驚かずにはいられなかったろう。
雪之丞は、二人の死骸を照らす、金網あんどんの灯を消した。