Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

と、平馬は手を突いたまま、

「これなる者は、今宵、御隠居所をさして参りまする途中、測らず、柳原河岸にて出会いました人物――。多くの捕り方に取り囲まれしを、巧みに遁れ、拙者、眼前に現れましたで、引っ捕えて突きだそうと、存じましたなれど、聞けばこの者、当時、大江戸に名高い、例の怪賊、闇太郎に紛れなき由、承わって、御隠居さまへ、御土産として召し連れました次第でござりまする」

「何に? 闇太郎――?」

と赭ら顔の老人の唇から、その刹那、流石に、愕きの叫びが洩れた。

彼の目は相変らず、薄寒そうに膝を揃えて坐った、粋な格子縞の若者に、鋭く注がれたままだ。

平馬は、権門の前に、別に、礼譲を守ろうともせぬ連れの方に、責めるように目を向けて、

「これ、御挨拶を申し上げろ。土部三斎さまに、渡らせられる」

闇太郎は、片手を畳に下ろしただけで、さも懇意そうに、三斎隠居の顔を見上げるのだった。

「成る程、これまで世間の噂で、御中年に長崎奉行をなすって、たんまりお儲けになった上、今じゃあ、御息女を公方さまの、御妾に、差し出しなすったとかで、いよいよ天下の切れ者、土部三斎さまの名を聴けば、大老、老中も怖じ気を振うとかいうことですが、お目に掛って見りゃ、あっし達でもお交際が出来ねえでもねえニコニコした御隠居さん。