Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

道行きが、にぎやかなとったりがからんで、幕になって、当の雪之丞、楽屋にもどると、そこに待っている男衆の中に、何と、闇太郎がすっかり芝居者になって、にこにこしていた。

「親方、来ていますぜ」

「どなた? お二人の方たち?」

と、床山に鬘をはずさせながらたずねると、

「いんえ、あれでさ――あの軽業がさ――あの女も、大そうすまして、ちんとして、淋しそうでしたよ」

「ほう、それは気がつかなかったが――」

雪之丞とて、お初の、うら淋しさがわからぬではない――が、いつまでも、盗みの道から抜け出ることの出来ない彼女は、その道を行くほかしかたがないであろう。けれども、闇太郎は別だ。彼は、この興行がすめば、名残りを惜しみつつも、この大江戸から、ふたたび、坂地へと戻るであろう雪之丞の供をして、西へと上って行く男だ。

――あッしも江戸ッ子だ。故郷は捨てにくいが、おまえさんのいなさるところなら、どこへでも行く気になりましたよ。

と、あの危急の晩、雪之丞にすすめられて、しおらしく手を突いた彼だったのである。

この物語は茲に了る。が、悲しい後話をつたえて置かねばならぬのは、かほど秀れた性格の持主雪之丞は、麗質を天にそねまれてか、後五年、京坂贔屓の熱涙を浴びながら、芳魂を天に帰したことである。