Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate

Aozora Bunko

ことさら、気負った盆興行が、大の不入り、そこで座元の策戦の秘術をつくして、この大切な顔見世月には、当時大坂でめきめきと売り出している、門閥外の中村菊之丞一座を招き、これに、座付の若手を加えただけで、思い切った興行ぶりを見せようと試みたわけであった。

菊之丞一座といっても、見込んでいるのは、艶名を謳われている女形雪之丞の舞台で、それゆえ、出し物も、もっぱらこの青年俳優の芯に出来るような台本が選ばれた。坂地の作者、春水堂がかねて雪之丞に篏めて書き下した、「逢治世滝夜叉譚」で、将門の息女滝夜叉が、亡父の怨念を晴そうため、女賊となり、遊女となり、肝胆を砕いて、軍兵を集め、妖術を駆使して、時の御門を悩まし奉ろうとするとき、公達藤原治世の征討を受け、敵と恋に落ちて、非望をなげうつという筋の、通し狂言――

どこまでも、荒唐の美をほしいままにして、当時江戸前の意気な舞台に対抗させようというのであった。

この、一座の、江戸下りが、ぱあっと府内の噂に上ると、贔屓贔屓で、

「――何だって、上方役者を芯にして、中村座を開けるッて! 馬鹿くせい話もあるもんだ――おいらあ、もう、あの小屋のめえも通らねえつもりだ」