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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

18 命びろい

先生は、考えた。

ごとん。ごとん。

又しても、怪音は床下から聞えて来る。

(そうだ。庭へ出て、外から床下をのぞいてみよう)

先生は、そう決心すると、さらに足音をしのばせて、そっと部屋をたち出でた。

18 命びろい

床下の怪音!

新田先生は、その怪しい音こそ、蟻田博士の秘密室の謎をとくものであろうと思った。

先生は、くらがりの庭を、足音をしのばせて、秘密室の外まわりをまわった。

(どこかに、入りこめる穴があったように思っていたが……)

先生は、その建物の床下に、空気を通じるための穴があって、そこに鉄の格子がはまっていたことを思い出したのであった。それで先生は手さぐりで建物の外をさぐってまわった。気はいらいらするが、もしも相手が生き物だったら、たいへんだと、一生けんめいに、はやる心をおさえた。

だが、一体何だろう、あの音は?

(あっ、穴だ!)

先生の手が、穴にふれた。四角い窓のようにあいていた。

(おや、鉄格子が、はまっていたはずだが、外してしまってあるじゃないか」

鉄格子は、なくなっていた。誰が外して持っていったのであろうか。

窓のところから、すうと風が出て来るのが、はっきり感じられた。