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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

25 去らぬ足音

「しまった」

刑事は、案にたがわず、博士の行方を見失って、弱ってしまった。

が、彼は、突然手をうった。

「そうだ。なあんだ、わかった、わかった」

刑事は、急に元気になって、自動車を呼んだ。

「どっちへやるのかね」

と、運転台の同僚が聞いた。

「麻布だ。蟻田博士邸へ直行してくれたまえ」

25 去らぬ足音

話は変って、ここは、蟻田博士邸の地下室の中だ。

新田先生と千二少年とは、階段の下に閉じこめられて、どうしてよいか困ってしまった。誰がどうして階段の上の蓋を、しめてしまったのだろうか。それをいぶかる折しも、二人の頭上に、こつ、こつと重い足音が近づいた。誰もいないはずの部屋に、人の足音がする! では、博士が帰ってきたのか? それとも、別の人であろうか。新田先生と千二少年とは、声をのんで、じっと足音のする頭上を見上げた。

こつ、こつ、こつ、こつ。

怪しい足音は、なおも頭の上を歩き続けるのだった。もし二人が、地下階段から床にのぼれば、待っていましたとばかり、二人の首っ玉をおさえるつもりのように思われる。

「先生、誰でしょう? この上を、歩いているのは?」

千二は、新田先生のそばにすり寄って、低い声でたずねた。