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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

66 ふき矢

しかも、そのうえに、例の大きな酸素かぶとを、かぶっているのであった。

「さあさあ、もうすぐ火星につくぞ。お前たちも、このとおりのかっこうをしなければならないのじゃ。服やなにかも、むこうに出しておいた。酸素かぶとは先に教えたとおり、かぶり方がむずかしいから、気をつけてやれよ。服やズボンや靴は、あたりまえにつければよろしい。さあ、いそいで、やりなさい」

「はいはい」

先生と千二とは、博士にいそがされて、別室へいった。

「博士、服と酸素かぶとと、どっちを先につけるのですか」

と、千二がたずねた。

「それは、わかっているじゃないか。先にズボンをはき、それから服を着、そのうえから、酸素かぶとをかぶるのじゃ」

「靴は、いつはくのですか」

「わかっているじゃないか。靴は、ズボンをはいてから、はけばよいのじゃ。酸素かぶとをかぶってからでもよいぞ。なかなかせわのやける奴じゃ」

博士は、千二をしかりつけながらも、にこにこしている。博士にとっては、二度目の火星訪問だが、たとえこれから、たいへんな戦闘がはじまろうとも、大空艇で宇宙の旅をつつがなく終え、ついに目的地の火星までやって来たことが、うれしくてしかたがないらしい。