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にっき
日記
宮本 百合子
08 一九二二年(大正十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,285 字 · 204 页
四月十三日
四月十四日
美し。彼は少しふけたように見える。
四月十三日(木曜)晴
夜、七時過の汽車で父帰国される。すぐあとへ、正直、さとるの関係して居る女についてしらべて欲しいと云って来る。Aの柄にはない役なり。
何とも云われず、吻っとする。此、のんびりした心持、世界がなりをしずめたようだ。筋骨がのびる程の気分。気をはって居たことを思うと、やはり他人に対する心づかいの大きさを知る。いつも斯様な又はもっともっと細かい姑などと居る人の心持が思いやられる。
四月十四日(金曜)雨
ひどい雨、嵐に近い。A学校始る。今度からは、たった十四時間と月曜が大学だけ。よろし。
すっかり机の上をきれいにし、原稿紙をひろげると、まねかれるように心が書くことに向く。
林町に居た時分、勉強部屋に入った時の心持を思い出す。多勢で、ごたごた賑やかな処から、急にきちんとした、ひっそりした、紙と机と書籍との中に入る変化が、非常に心持に関係があるのだ。
「黄銅時代」に熱が起り、原稿紙の上を、二人の男と女が、小さく動いたり、笑ったり、接吻したりするように見える。
A、宮内省に御礼に行き、さとるさんの女の様子を見に行く。