轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

けれど、法は法を知る相手によってこそ行われるので、法もヘチマもない敵に向っては、構えをとり気息を正し、青眼兵字構えなどの組太刀の型どおりを、そのままやっているわけには行かない。しかも相手は野鼠のように素ばやい奴、兇器もことさら短刀を持って、いきなり飛びついて来たのですから。

で――万太郎がこの際、御指南番流の法を捨てて、刀の峰であろうと平であろうと構わない、飛び出して来たやつを、盲なぐりに叩き払ったのは、すこぶる当を得たる護身の機智でありました。

しかし一方も、多少あばれることは覚悟の上なので、彼の前後にからんで、組んず倒れつ、何処か体の一ヵ所穴をあけてしまえばしめたものと、必死に六本の短刀がおどる。

万太郎には、相手の兇器が短刀であるのが致命的な苦闘でした。これが、各脇差でかかって来たならば、彼等同士、相当な間隔を保って来なければならないので、そこに変化のつけようもあるが、短刀と短刀では全然同志討ちのおそれがないので、片手にそれを持ちながら、手足に組みついて来るやつには、ほとんど手の下しようがありません。

そのうちに――

雲霧組の黒衣の短刀が、遂に万太郎の体のどこかへ、その兇器を突きとおしたものか、腰かけていた石を距ること十四、五間まで行ッたところで、