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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ゆだんはならない。――とは、佐々刑事が宇宙電話でもって、地球に住む者どもに対して警告して来たことだった。恐らく佐々刑事は、火星へ上陸するか何かして、火星人がむごたらしいことを平気でやるのに驚いたのであろう! あの心臓の強い佐々刑事が驚くとは、よほど目に余ったことが、火星の上で行われているに違いない。
「ああ大変なことになった!」
と、新田先生は、むごたらしい火星人の幻影を両手で払いのけつつ、うめきごえを発したのであった。ああ、怪また怪!
新田先生が、火星人のおそろしい正体について、推理をくみ立てている間、蟻田博士は、向こうを向いて、しきりに火星人の兄弟ロロとルルの寝顔を見まもっていた。
ところが、その中に、博士もだんだんねむ気をもよおしたらしく、こっくり、こっくりと、いねむりを始めた。
「ああ、博士!」
先生は、うしろから声をかけた。
しかし博士の返事はなかった。そうしてあい変らず、こっくりこっくりと、いねむりをつづけるのであった。
(しょうがないなあ。ぜひ、博士に、私の推理を聞いてもらいたいのだが……そうして私の考えが正しい……火星人は植物から進化したおそるべき生物だと言ってもらいたいのだが、これはどうもしようがない)