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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ぷっと上にふけば、かなり長らく落ちてこないのだ。だから、ふき矢だとて、ばかにならない。遠くへ飛ぶのだ」
言われて、千二はやっと気がついた。先生からも聞いたが、火星の上では重力が小さいから、上へ放りあげたものは、なかなか落ちて来ないのであろう。すると地球の上では、つまらないふき矢も、ここでは強い兵器だ。
ふき矢問答はつづく。
「博士、ふき矢が火星の上では、なかなかつよい兵器だということは、わかりました。しかし、どうして、このふき矢を使えばいいのでしょうか」
と、千二は、ふしぎそうに言った。
「なんでもない。口でぷうとふけばいいのさ。お前たち、とくいのふき矢ではないか」
千二は、そこが問題だという顔で、
「だって、博士。こんな酸素かぶとを、かぶっていたんでは、ふき矢を口にあてようとしても、あてられないではありませんか」
博士は、なるほどとうなずき、
「ああ、そのことかね。それは、しんぱいなしさ。かぶったままでも、らくにふけるのだよ。かぶとの中に、口のあたるところがある。そこへ口をつけるのさ。それから、ふき矢の口は、かぶとの外に穴がある。ほら、ここのところだ。