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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
それは、さっき千蔵が、うわごとのように言った言葉の謎を、どう解いていいかという問題だった。先生は、その言葉の中に、千蔵がその夜でくわしたおそろしい事件が、はっきり織りこまれているように思われるのである。
新田先生は、病床にねている千蔵のうめき声を聞きながら、ふかい考えにしずんだ。
さっき千蔵が言ったうわごとは、たいへん意味があるように思われた。
(火柱だ、湖の中から火柱が飛出した。あっ、火柱が飛ぶ!)
これだ、これだ。
「そうか。うむ、そうかもしれないぞ」
新田先生は、膝をとんと叩いた。先生は今千蔵のうわごとから、たいへんな意味を拾い出したのであった。
(火柱だ!)
千蔵は、ゆうべ火柱をみたんだ。なぜ千蔵は火柱を見たか。それはいつごろかわからないが、とにかく千蔵は例の湖のそばへいっていたので、火柱を見たのである。湖のそばへいったわけは、息子の千二少年が、鰻を取りにいったまま、いつまでたってもかえって来ないので、心配のあまり、見にいったのであろう。そこで火柱を見たというわけだ。
(湖の中から火柱が飛出した)
火柱は、湖の中から飛出したという。その火柱は、地面の上から出たのではなく、実に湖の中から立ったのであるというのである。