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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

木綿以前の事「女性」1924(大正13)年10月、何を着ていたか「斯民家庭」1911(明治44)年6月、昔風と当世風「彰風会講演」1928(昭和3)年3月、働く人の着物「旅と伝説」1936(昭和11)年7月、国民服の問題「被服」1939(昭和14)年5月、団子と昔話「ひだびと」1936(昭和11)年3月、餅と臼と擂鉢「社会経済史学」1934(昭和9)年1月、家の光「家の光」1926(大正15)年2月、囲炉俚談「文学」1935(昭和10)年3月、火吹竹のことなど「知性」1939(昭和14)年4月、女と煙草「ひだびと」1939(昭和14)年2月、酒の飲みようの変遷「改造」1939(昭和14)年2月、凡人文芸「短歌研究」1934(昭和9)年2月、古宇利島の物語「短歌民族」1933(昭和8)年5月、遊行女婦のこと「俳句研究」1934(昭和9)年4月、寡婦と農業「農業経済研究」1929(昭和4)年10月、山伏と島流し「俳句講座」1932(昭和7)年8月、生活の俳諧「第一高等学校講演」1937(昭和12)年12月、女性史学「実践女学校講演」1934(昭和9)年7月、女性史学「民間伝承」1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,586 字 · 348 页

青空文庫

勿論今すぐに成績が挙がるとまでは楽観し得ないけれども、ともかくも日本の少しでも余力のある婦人たちは、その平日の心掛によって、もっと多くの知識を得、もっと多くの世の中の問題、殊に日本の現代の疑問を、解釈し得られることを目標として、この実地の史学を進めてゆくことが、社会に役立つ一つの途であると思う。

例に引くのも胸の痛くなる話だが、この四五年来急に目に立って増して来た親子心中、母がこの世をはかなんで見棄ててゆく場合に、まだ東西も知らぬ幼児を連れてゆく風習、是などは正面からその悲惨事を防止しようという前に、是非ともまず何故に日本にばかり、特にかような死に方が多いのだろうかを、たとえ不可能なまでも一応は尋ねてみなければならぬ。そうでない限りはただ歎息するだけで、いつになったら止むという見込が立たぬからである。是には一種の感染ということも無いとは言われぬが、別にそれ以外に家の連帯感、すなわち小さなわが家を除いては孤児を愛する処もなく、どうせ親の不運は児も分かたなければならぬという考え方がもとになっているか。もしくは小さな者の生命と霊魂が、家に所属するように思っていた以前の独立性否認がなお続いているか。