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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

木綿以前の事「女性」1924(大正13)年10月、何を着ていたか「斯民家庭」1911(明治44)年6月、昔風と当世風「彰風会講演」1928(昭和3)年3月、働く人の着物「旅と伝説」1936(昭和11)年7月、国民服の問題「被服」1939(昭和14)年5月、団子と昔話「ひだびと」1936(昭和11)年3月、餅と臼と擂鉢「社会経済史学」1934(昭和9)年1月、家の光「家の光」1926(大正15)年2月、囲炉俚談「文学」1935(昭和10)年3月、火吹竹のことなど「知性」1939(昭和14)年4月、女と煙草「ひだびと」1939(昭和14)年2月、酒の飲みようの変遷「改造」1939(昭和14)年2月、凡人文芸「短歌研究」1934(昭和9)年2月、古宇利島の物語「短歌民族」1933(昭和8)年5月、遊行女婦のこと「俳句研究」1934(昭和9)年4月、寡婦と農業「農業経済研究」1929(昭和4)年10月、山伏と島流し「俳句講座」1932(昭和7)年8月、生活の俳諧「第一高等学校講演」1937(昭和12)年12月、女性史学「実践女学校講演」1934(昭和9)年7月、女性史学「民間伝承」1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,586 字 · 348 页

青空文庫

四

ところがそういうむだに近い物に限って、消費を刺戟するために文化だの改良だのという文字を冠している。人が警戒する方が当り前で、広告が信用の無いのにも理由があるのである。

四

小売商人のいわゆる近世の改良は、大抵は名ばかりであった。まがい物や掛け流し物、一時的の体裁模倣の軽薄を極めた商品が、すべて改良の名をもって世に行われている。この気風と戦うのが実は真の生活改良であった。すなわち我々が名づけて消費経済学というものと、その基礎をなすべき国民の生活技術誌の研究が、まだまだ親切なる何人かによって、遠く深く進められなければならぬ所以である。

しかるに世にはこのような一国特有の問題まで、いわゆる先進文明国の学者の著述によって、容易に指導啓発せらるべしと信ずる者がある。沢山の論拠を並べるまでもなく明瞭にそれは誤りである。現在の生活改善事業に対する一つの大なる反感は、何だかそれが甚だ西洋臭いことである。この連中の日本の昔風を攻撃する動機を疑い、多分これが彼らの感心している西洋風と違う故に、是も非もなく反対するのだろうという邪推であって、それが随分有力に行き渡っている。