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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
木綿以前の事「女性」1924(大正13)年10月、何を着ていたか「斯民家庭」1911(明治44)年6月、昔風と当世風「彰風会講演」1928(昭和3)年3月、働く人の着物「旅と伝説」1936(昭和11)年7月、国民服の問題「被服」1939(昭和14)年5月、団子と昔話「ひだびと」1936(昭和11)年3月、餅と臼と擂鉢「社会経済史学」1934(昭和9)年1月、家の光「家の光」1926(大正15)年2月、囲炉俚談「文学」1935(昭和10)年3月、火吹竹のことなど「知性」1939(昭和14)年4月、女と煙草「ひだびと」1939(昭和14)年2月、酒の飲みようの変遷「改造」1939(昭和14)年2月、凡人文芸「短歌研究」1934(昭和9)年2月、古宇利島の物語「短歌民族」1933(昭和8)年5月、遊行女婦のこと「俳句研究」1934(昭和9)年4月、寡婦と農業「農業経済研究」1929(昭和4)年10月、山伏と島流し「俳句講座」1932(昭和7)年8月、生活の俳諧「第一高等学校講演」1937(昭和12)年12月、女性史学「実践女学校講演」1934(昭和9)年7月、女性史学「民間伝承」1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,586 字 · 348 页
八
私はそれとともに他の一方から、一つ一つの問題について、今までの生活ぶりの拙劣さ、長い眼で見て賢くなかった点を、反省する機会を作らねばならぬと考える。衣食その他の毎日の消費生活が、決して末端の小さ過ぎる問題でなかったことを知るにつけても、みなさんの学問の遅々として進まぬことを、私は歯痒く感ぜずにはおられぬのである。
八
女性と歴史の問題は、おおよそ三つの方面から考えて行かれる。第一に女性がこの研究に携わって行くことの意義と効果。是はすでに前にも説いたが、是を試みる以上は人の書いた本を読み、男の講演する説を聴くだけでなく、今までの学徒にまだ気づかれなかった点を発見することを目標としなければならぬ。すなわち研究の独立である。第二にはそれは望ましいことだが、はたして女性にできるかどうかということが問題になる。是は必ずしも素質が適しないという類の、失礼な人を見くびった理由からでなく、女にそんな余力があるだろうかどうか、こういうことが考えの中に入ってくる。「女には別にすべき事がございます」。こういう言葉はあなたがたの先輩もよく口にせられる。勿論有るには相違ないが、それは一体何と何とであろうか。