轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

「アア、伝吉さんでしたか」

それでほっとしたらしく、おりんも安心し、次郎の鋭い目元も和らぎました。

月江としては、その折、助けられた恩人なので自身の方から礼に行かねばならぬと、二人の宿をたずねさせていたくらいなので、よいところへと茶菓子をいいつけようとすると、

「あ、どうか、それは」

と、伝吉は、あわてて止めて、

「実はとんだお願いがあって伺いましたので、いずれまた改めて、連れの者と一緒にお邪魔をいたしにまいります。で、今夜のところは、その話だけをぜひ一つ聞いていただきたいと存じますが」

「前にお世話になっている私たち、なんでございますか、出来ますことならば」

「有難うぞんじます。ほかじゃございませんが、こちらの同じお二階にいる、相良金吾というお人と、もしや、御懇意ではござんすまいか」

「相良さんですか」

月江はおりんと顔を見合わせて、伝吉をよそに微笑を交わしましたが、すぐに改まって、

「はい、御懇意というほどでもございませんが、このりんと申す者が、時折、おことばくらいは交わしております」

「ならば、何より好都合でございます。まことにあつかましいお願いですが、一方のお粂という女が疑わないように、その金吾様だけを、何とかして、ちょッとここへ呼んでおもらい申す事はできますまいか」