轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

「こいつ、湯治客をゆたぶる、遊び人だな」

と、一図に見てとって、ずかずかとそこへ這入っていくなり、

「貴様か、宿を騒がすやつは」

ムズと、襟がみをつかみました。

ひょいと仰向いて伝吉は、

「お、相良金吾様」

ずばりと名をさしたものですから金吾は仰天して、はっとその手をゆるめますと、こんどは伝吉の方から突然かれの腕くびをつかんで――

「やっと誘い出しました。さ、さ、お粂に気のつかれないうちに、少しも早く外へ出ておくんなさい。今夜ある場所で、親方の釘勘が待っているんです」

「えっ、釘勘が?」

「いやとはいえませんぜ、相良さん。会った上のお話はいろいろありますが、釘勘はあなた様の御主人、徳川万太郎様の頼みをうけて、遙々ここまでやって来たんでございますからね」

金吾は穴にでも入りたいように、

「なんと申す、では、万太郎様のおさしずで、釘勘がわしを迎えに参ったとか」

「まア、そんなことはどうでもいい、お粂が感づくと困りますから」

「待ってくれ、ま、考えさせてくれ」

「今夜は待ッたなしです、あなたをここまで誘い出したのも、なみたいていな苦労じゃねえ。主命と思って来ておくんなさい」