轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页
なみの女ならばおどしにも乗りましょうが、役者はお粂の方が一枚上ですから、なんといったところで決して動く気色がない。
「生意気ッ」
と、業をにやしたのは短気者の雲霧で、
「面倒くせえじゃねえか。こんなやつは手ぬぐいをかませて引ッかついで行くにかぎるぜ」
目まぜをすると、お粂のうしろに立っていた千束の稲吉が、
「兄弟、手を貸してくれ」
と仕事は早い――いきなり手を廻して猿ぐつわをかけようとしましたが、いつのまにか抜いて持っていた匕首がそれを払ったかと見ると、お粂は四ツ目屋の新助の胸を突いて飛魚のように身をハネました。
「畜生ッ」
ばらばらッと六、七間。
逃げ出す先へ廻って尺取の十太郎が手をひろげる。
雲霧が帯をつかんで引きもどす。
そこを新助が飛びついてウムをいわせず匕首をたたき取る。
――親分日本左衛門が寵愛していた女と思えばこそ多少の手加減もしておりましたが、こうなればイヤも応もいわせたものではありません。
いかにまたお粂が必死で反抗してみたにしろ、雲霧、四ツ目屋、尺取なんていう人間たちが、手をつないで取巻いてしまッては逃げられないのが当然で、逃げようとすればするほど牛頭馬頭の苛酷をあおるばかりです。