轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

…………

能がかりの笛や太鼓、奥の夜宴は今たけなわの最中とみえます。

伊兵衛の狛笛の一曲が終りますと、夜宴の無礼講はここにくずれて、阿佐ヶ谷連中の能がかりを皮切りに、赤い顔をならべた郷士たちが、野趣横溢な武蔵野歌を手拍子でうたえば、珍しく、千蛾老人もいでやと立って、あざやかなところを一さし舞って見せる。

やんや、やんや、

興は高潮。

館もどよめく騒ぎです。

かかる間に、いつのまにか道中師の伊兵衛、そこからドロンをきめたまま、席へ戻って来ませんが、たれも気のつく者はない。

そこの雰囲気はただ賑やかに。

――御隠家様でさえお舞いなされた。次にはぜひとも、月江様の仕舞の一さしを、所望所望、という声がしきりと彼女を攻めたてている。

「一同がアア申すのじゃ、わしも見たい、立て、立て」

と、老人まで一緒になって、月江の舞をうながしましたが、いつもは、歌えといえばすぐ歌い、舞えといえば軽快に仕舞の扇をとることを惜しまない月江が、なぜか、

「いやです、私」

かぶりを振って浮かない色です。

その浮かないのが気になって、どうにかして月江を陽気にしてやろうと、心にもなく自身から舞って見せたり上機嫌を努めていた千蛾老人、