轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

――徳川初世の禁教令このかた、殊に寛永年度のきびしい邪宗門狩りの法度が天下に布かれて以来日本の地には、表面、切支丹の宗徒まったく影を絶っているようでありましたが、事実は、柱に天帝の像をかくして、マリヤに似せた観音像を仏壇にひそめて、ひそかにそれを信奉するものや、或いは、そうした人々のみで、法令のとどかぬ山間の部落をなして、一種の切支丹村をかたちづくり、領主のさとるところとなると、山から山を遊牧して、またどこかに聖教の村を作る――そういったふうな宗徒は今に至っても決して絶えていないのでありました。

その最も力のある団体が、榛名、赤城、秩父、甲府にわたる無人の地を所さだめずに棲んで移る山岳切支丹族の仲間の者であるのです。

とんぼ売りの久助もその一人。いま座敷をかりているこの家の亭主もその一人です。

また、吾々山岳切支丹族のなかまは、その漂泊してゆくところの武甲の山や秩父の奥に、いくつもの耶蘇教会をもっている。だから、幕府が今よりも宗門の制を苛酷にして、信徒にあらゆる迫害をきわめても、少しも信仰を害されることはない。また、そんな政策によって、日本に聖徒があとを絶つことも決してない。