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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

。

「教わりたくないのか。だまっていては、わからんじゃないか。おい、新田」

「は、はい」

返事をすれば怒るし、また、返事をしなくても怒る博士だった。

「どうか、教えていただきます」

「ふん、では、かんたんに、わしの研究の結果だけを話そう」

博士は、白いあごひげをつまみながら、

「モロー彗星と地球とがぴたりと接触するのは、来年の四月四日十三時十三分十三秒のことである」

「えっ、来年の四月四日、十三時十三分十三秒?」

四月なら、今からまだ約半年先のことである。明日や明後日でなくてまあよかったと、新田先生は胸をなでおろした。

十三時――というのは、一日を午前・午後で区別せず、一日は二十四時間として言いあらわしたもので、十三時は、ちょうど午後一時にあたる。つまり、来年の四月四日午後一時十三分十三秒のことである。

「どうじゃ。四、四、十三、十三、十三――と、数字が妙な工合につづいている。数字までが恐しい運命を警告しとる!」

来年の四月四日十三時十三分十三秒に、地球は、モロー彗星にぶつかって、粉々になってしまう――と、蟻田博士の言葉である。

これを博士の机の前で聞かされた新田先生は、わが耳をうたがった。