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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

佐々刑事は、きまり悪そうな顔をして、同僚のうしろへ、こそこそと姿を消しながら、

「ちぇっ、きょうは、あたまが悪いや。しようがない、すこし遅いが、これからライスカレーを作り直すことにするか」

佐々刑事は、ライスカレーをうんと食べて、頭をよくしようと考えた。

その時交通掛の主任が、課長の前へ進み出た。さっきから何が気になるのか、もじもじしている主任であった。

「ええ、課長。これは、あまりたいしたものではありませんが、御参考までにお耳に入れておきます。申し上げない方がいいのですが、後で万一関係があったということになりますと、申訳がありませんので……」

と、いやに気の弱い言いかたをして、大江山課長の顔をじっと見た。

「なに、参考になることなら、どんどん報告したまえ。引込んでいることは、ないじゃないか」

課長は、少しいらいらした気持で、この遠慮ぶかい主任をうながした。

「は、それではお話いたしますが、実は、お昼ごろのことでしたが、スピード違反の自動車がありましたので、これを白バイで追跡いたしました。すると、運転台に、妙な顔をした運転手と、そのそばに一人の少年が坐っているのを見ました」