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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ガソリンに火がついて、崖の上からおちた自動車を焼いたことは、よくわかるが、乗っていた人間の体はもちろん、骨一本さえ見当らないのだ。へんではないか」
「だって、課長さん。ガソリンに火がついて、たいへんはげしく燃えたため、骨もなんにも、すっかり跡形なく焼けてしまったんではないのですか」
「ガソリンが燃えたくらいで、骨が跡形なくなってしまうだろうか。そんなことはない。骨はもちろん残るはずだ。まあ、黒焦死体がころがっているというのが、あたりまえだ」
「じゃあ、ガソリンではなく、もっと強く燃えるものがあって、それが、骨まで焼いてしまったのじゃありませんかね。たとえば、焼夷弾みたいなものが、自動車に積んであったと考えてはどうです」
「それもおもしろい考え方だ。しかし、たとえ焼夷弾が燃出したとしても、そこから少し離れた所にあるものは、焼け残るはずだし、ことに、骨が一本残らず燃えてしまって、灰も残っていないというのは、ちと変だね」
課長は、小首をかしげた。
佐々刑事は、いらいらして来た。
「課長。どうも変だというだけじゃ、困りますねえ。で、その事について何かいい答えをもっているのですか」