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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

すると、どうかした拍子に、その青いむちのようなものが、ほんのわずかではあったけれど、半殺しの蛇のように、ぴくぴくと動いた。そうして先の方がくるると円く輪になった。

「ほう、こいつは大発見だ!」

博士は、熱心を面にあらわして、なおもさかんに指先でいじりまわしたが、一度蛇のように動いた後は、二度とそんなに動かなくなった。

大江山課長は、さっきから博士のじゃまをしないようにと思い、さしひかえていたが、もうがまんが出来なくなって、

「博士、その珍品は一体、何に使うものだかおわかりですか」

と、せきこんで聞けば、博士は無言で、首を左右にふるばかりだった。

「博士、なぜ教えて下さらないのですか。博士には、おわかりになっているはずだと思うのに……」

大江山課長の言葉に、博士は、はじめてそのむちのようなものから目を上げ、

「わしにも、さっぱりわからないのだ。わしはこれを研究してみたいと思う。どうだろう、これをもらって行っていいかね」

「いえ、それはだめです。持って行ってはいけません」

大江山課長は、博士の手からその青いむちのようなものを、うばうように受取って、すぐさま箱の中に入れてしまった。