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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「ふん、これは、たいへんなものを見つけたものだ」

先生はうなった。

これはいよいよ火星の生物どもに違いない。先生は怪物の後を追いかけることにした。

怪物たちは、いつしか隣の山の上に姿を消してしまった。山の向こうへ下りて行ったか、あるいはそのへんに、穴でもあるのではなかろうか。先生はわざと道を遠廻りして、けわしい山の傾斜をそろそろと上り始めた。先生の指先はやぶれて、血が流れ出した。

小一時間もかかって、先生はやっと山の上に上りついた。

「さあ、このへんに違いないのだが……」

先生はあたりに気をくばりながら、そっと岩かげから顔を出した。

「ほう、あった! あれだ!」

先生は、思わずおどろきの声を上げた。

何があったか? 先生の目にはいったのは、大きなドラム缶のようなものが、山の向こう側の斜面に、つっ立っているのであった。まるで小さな塔をそこに建てたような、かっこうであった。

「ああ、あれに違いない。千二君が言っていた火星のボートというのは、多分あれと同じものだろう」

何という奇妙な形をしたものであろうか。その大きな円筒は、表面がへんに焼け焦げたようになって、そうしてちかちかと、薄い光がさしていた。