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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そうして、そこにもう一つの不思議なものがころがっていた。

戦車が火星人の胴中をばらばらにこわしてしまって、その上を通り過ぎたあとに、瓦のような厚みを持ち、そうして瓦のように青黒い破片があたりに飛びちり、そうして、その外にもう一つの不思議なものがころがっていたと言うが、その不思議なものとは、一体何であったろうか。

それは全くえたいの知れないゴム製のたこのようなものであった。しかし決して、たこではなかった。その色はへんに青く、その大きさは、大きなゆでだこぐらい――つまり、大きな猫か、中ぐらいの犬ほどの大きさしかなかった。

(ああ、何だろう、あそこにころがっているものは?)

と、そばにいた人々は、不思議に思って、こわごわその方を見つめていると、そこへ一匹の白っぽい大きな犬が飛出して来て、あっと言う間に、その不思議なゴムだこ――とでも言う外言いようがないが、そのゴムだこに、ぐわっとかみつくと、口にくわえたまま、向こうへ走って行った。

「あっ、あの犬を、追いかけろ」

やっと駈けつけた小学生の一団も、犬が不思議なものをくわえて行くのを見た。

「何かくわえて行ったぞ」