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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、先生は言出した。

「いや、それはいけない」

と、大江山課長は強く言って、

「佐々は、火星人に殺されてしまったのかも知れないのだ。この上あんたが行って、またそれっきりになったら、どうして火星人を攻めて行ってよいか、見当がつかなくなる」

「だって、私などが……」

「いや、この上は、火星人のことを少しでも知っている者は、大事にしておかなければならない」

先生は、その時、はっと気がついた。

蟻田博士のことを。

「大江山さん。蟻田博士のその後の消息は、わかりましたか」

大江山課長は、帽子のあごひもをしめ直しながら、

「その蟻田博士のことなんだが、我々も、一生懸命にさがしているんだが、手がかりなしでね、全く残念なんだ。博士が見つかれば、我々は、きっと何か火星人について、大切なことが聞出せると思うんだが……」

と、ほんとうに残念そうに言った。

「大江山さん。あなたは、蟻田博士を、どう思っているのですか」

「どう思っているとは?」

「つまり、博士はいい人だとか、悪い人だとかいうことです」

「さあ、そんなことは、うっかり言えないがねえ」

と、課長はつつしみ深い口ぶりで、

「ここだけの話だが、前には、蟻田博士は、おかしいと思っていたんです。