轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

しかし、こうして博士の予言通りに火星兵団が攻めて来た今日、私は博士はおかしいとばかり、きめてしまうわけにはいかんと思う」

大江山課長は、前のことを思い出しながら、しんみりと、ただ今の気持を先生に話した。

「じゃあ、蟻田博士が、とうとい大学者であることを、大江山さんはみとめたわけですね」

「まあまあ、それに近いと思って下さい。だが、我々は博士について、全く気を許してしまうわけにはいかないと思っている」

「え、気が許せないというのですか。それはまた、なぜです」

「それはつまり、これもここだけの話だが、蟻田博士は、火星のスパイではないかと、そんな気もするのだ」

大江山課長は、蟻田博士が火星人のことなどをよく知っているが、火星のスパイではないかと思うと言う。

それを聞いていた新田先生も、実は、自分の先生である蟻田博士が、いい人であるか、それとも悪い人であるか、はっきりわからなかったのである。博士の日頃の行いは、あまりにとっぴである。人間ばなれがしている。博士から、教えを受けていた昔のことを思い出してみるのに、博士は、ただもう学問のことに、いつも夢中であって、学問のためなら、その外のどんなことでも、捨ててしまうというたちであった。