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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
が、急にがっかりした様子で、
「いやいや、だめだ。蟻田博士でないと、私たちの取扱い方がわからない。せっかくだが、あなたでは、だめですよ」
そう言って、怪物はしおれてしまった。
「何、わけがないじゃないか。私は、この檻を破って君たちを出してあげよう」
そう言って先生は、そばに落ちていた鉄の棒を拾いあげると、檻の弱そうなところを打とうとした。
「ま、待った、待った」
と、怪物は叫んだ。
「えっ」
「そんなもので打っては、減圧幕に穴があいて、こわれてしまう。減圧幕に穴があけば、私たちは、一ぺんに死んでしまう」
と、怪物たちは、声をそろえて、新田先生が鉄の棒をふりおろすのをとめた。
「ええっ、その減圧幕とは、どんなもの?」
いきなり減圧幕というのが、とび出して来たので、先生は面くらった。
「減圧幕というのは――つまり、私たちの体を、まもってくれているすきとおった幕だ。地球の空気は、たいへん濃いのだ。私たちは地球の空気の中に、そのままはいることは出来ない。強い空気の圧力のため押しつぶされて、小さくなって死んでしまうのだ」
怪物は自分の体の秘密について、不思議なことを語り出した。