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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

だから、蟻田艇のまわりを、とりかこんだのはいいが、それから先、たいへんなことになった。それは、丸木の、どなっているこえを聞いていると、よくわかる。

「――やっ、また、同志うちだ。ややっ、あそこでも、宇宙艇と宇宙艇とが衝突した。あっ、あぶない。今あたまのうえを、飛びこえていったのは、誰が操縦している宇宙艇か。もうすこしで、本艇に、ぶつかるところだったじゃないか」

火星の宇宙艇群と、博士の大空艇とのたたかいは、今たけなわである。

博士の命令によって、新田先生は、ここを先途と、ガス弾を、あとからあとへと撃ちつづける。

こうして、空中の死闘は十五、六分もつづいたが、その間に、火星兵団は、宇宙艇の半分ぐらいを失った。そうして、これはかなわんと、ようやく浮足立った。

「おお、火星兵団は、にげ腰になったぞ。そこをねらって撃ちはらえ」

博士は、いよいよ元気に、新田先生に撃方の号令を下す。そうして、大空艇は、横転・逆転と、あらゆる秘術をつくして、敵の宇宙艇をおいかければ、必ずその宇宙艇は、黄いろい煙をあげて撃墜される。すさまじい大空艇の奮戦のありさまは、まるで鬼神のようであった。